最終稿提出までに時間がかかったのは、一次稿のレビューが不十分だったからだ。2月15日が修士論文提出の公式な期限で、それに間に合わせたいと思って論文を書いていたのだが、結局間に合わず、一次稿を書き終えたのが3月末だった。2月の締め切りは実質的には形だけのもので、ほとんどの学生はRegistrar's OfficeにExtension Formを提出して4月末までに仕上げるのだが、想定よりも執筆に時間がかかったことで、必要以上に焦ってしまった。本来はPeer Reviewといって、Fletcherの学生などに原稿をチェックしてもらい、文法や構成を直した上で教授に一次稿を提出するのが筋なのだが、学生にレビューを頼むと返送までに時間がかかると思い、セルフチェックだけして提出してしまった。
4月末までに1か月あれば、一次稿に対する教授のコメントを受けて、最終号を提出できると思っていたのだが、教授の方もすぐに読んでくれる訳ではなく、2週間程度時間が空いてしまった。その後教授から連絡があり、英文表現が不十分なので、第三者のレビューを受けるようにとの指示があった。すぐに読んでもらうことができないと分かっていればその間に複数のレビューを受けることができたので、2週間分の時間を浪費してしまったことになる。その後、4月末という期限が迫っている中で、自分の修士論文に忙殺されているFletcherの学生に短期間でのレビューを依頼するのは難しいと思い、インターネット上でプロフェッショナルエディターを見つけてそこに校正を依頼した。
校正は一週間で上がってきたので、それを教授に送付したのだが、その後音沙汰はなく、期限延長後の締め切りである4月30日になってしまった。さすがにこのまま待っていると卒業できなくなると思い、教授にメールしたところ、4月は忙殺されていたので、これから君の論文を最優先で読むとの返信が来た。数日待っていると、教授からまだ英文表現に問題があるとのメールが来たので、慌ててFletcherの学生2人にレビューを依頼し、5月8日までに修正を行ってもらった。修正を待っている間に教授から再度メールがあり、リサーチは十分にしてあるので、スケジュール通り卒業できるよう単位は与えるが、今の英文表現のままだと論文を公表することは認められないとの伝達を受けた。
2人分の修正と自分自身でのチェックを経て、最終稿を提出したのは5月9日で、5月10日の公式な単位認定期限には教授の評価が間に合わなかったのだが、5月12日になって教授がRegistrar's Officeに評価レポートをFAXしてくれたので、単位は無事にもらえることになった。ただ、これだけ英文表現に問題があると言われてしまうと2人分のネイティブチェックを経た後の論文でも相当不安があるので、TuftsのDigital Library経由で論文を公表するプロセスの前に、今もう一度自分でチェックを行っている。
修士論文の執筆プロセスでは、一次稿提出前のレビューを省いたせいで、時間的にも教授の印象的にも大きなロスを招いてしまった。2月15日の一次締め切りにしろ、4月30日の最終締め切りにしろ、ほとんどの学生は間に合わせることができずに延長しているので、焦らずFletcher生に一次稿のチェックを依頼すべきだった。試験期間終了後だったということもあるが、頼んだ学生は2人とも1-2日できちんとしたレビューを行ってくれた。プロフェッショナルエディターに依頼したことも間違いだった。そうした機関は費用対効果を最優先するし、顧客の作成した文書に手を加えすぎて内容に関するリスクを負うことを嫌うはずなので、金銭に見合う効果は得られなかった。学生2人から受けたレビューの方が、短時間で仕上げてくれた上、文法だけでなく構成にも気を配ってくれたので、論文のクオリティが格段に上がった。
最終的にAをもらうことはできたが、執筆プロセスは反省点ばかりだった。今後このような長いペーパーを書くことがあれば、もっと慎重に事を運んでいかないといけないと思う。自分のせいでろくでもない文章を読まされた教授に申し訳ないと思い、短時間でしっかりとしたレビューを行ってくれた学生2人に心からありがたいと思った。
Certificateを取ることは、特にすごいことではない。 取得要件となっている単位を従順に4学期間消化し続けることができれば誰でももらうことができる。一番必要なのは、2種類の専攻に関する単位取得要件とCertificateの単位取得要件を同時に満たせるよう、スケジューリングをきちんと行うことだ。10単位近くあるCertificateの要件と各4から4.5単位ある専攻の要件を同時に満たすためには、1学期目に4学期分のスケジュールを組んでしまっておく必要がある。専攻のうちの1つの取得単位をCertificateの取得単位と重ねることができるので、13-14単位で全要件を満たし、2-3単位分は自分の好きな科目を履修する形になる。
自分自身は必要単位を揃えるのに13.5単位を使った。自由に選択できたのは、最終学期に履修したP205 Decision Making and Public PolicyとP266m Islamic Worldだけだった。Decision Makingの方は、授業が月曜日と水曜日で評価が甘いらしいという理由だけで選んだので、履修したかったものはほとんど取れなかった。途中Econometricsという授業を専攻の1つとしていたDevelopment Economicsの選択授業として履修しようとして、前提要件であるStatisticsを履修したのだが、結局Econometricsが大変らしいと聞いてRural and Agricultural Development in Developing Countriesに逃げたので、Statisticsの1単位分を無駄にしてしまった。せっかく国際関係大学院に来たのでInternational Relations: Theory and PracticeやForeign Relations of the United States to 1917、since 1917といった国際関係の授業を履修したかったのだが、履修要件になっている授業と時間が重なっていたり、他の授業をこの学期に取ると必修授業を履修できなくなってしまう状況だったりで、結局3つとも取らずじまいで終わってしまった。
Certificateはどんな成績であっても単位さえ揃えればもらえるものなので、取りたい授業を犠牲にしてあまり興味の持てない授業を取るメリットがどこまであるかは疑問なのだが、1学期目に受領できるようスケジュールを組んでしまったので、結局最後まで流れに乗って求められるがままに授業を取った。国際関係大学院らしい授業は、将来のどこかのタイミングで取れればと思う。国際関係大学院で勉強しなかったことを今後の人生で勉強できる可能性はとても低い気はするが。