Fletcherの
Office of Career Service (OCS)は、Fletcherの学生の就職活動に関する支援を全面的に行っている部門。OCSは学生に対し、
Professional Development Program (PDP)と呼ばれる全体向けのセッション、
Inside Fletchder、
Fletcher Career Centralと呼ばれるイントラネットによる情報提供、企業・機関の説明会やワークショップ等の個別セッションの機会を設けている。まだ大学院のコースが始まって3週間程度だが、自分はOCSが提供してくれるサービスにとても満足している。今回はその詳細について書いておきたい。
Professional Development Program (PDP)
OCSは、1年生に対してProfessional Development Program (PDP)という秋学期・毎週金曜日9:00-10:30の時間帯に行われる全9回のセッションに参加することを義務付けている。社費・公費留学の学生が免除を申請して受理された場合以外は、全員が全講座に出席しなければならない。大学院の評価は卒業生の就職状況に大きく左右されるので、大学院側は学生の参加回数に対して厳しい基準を設けていて、欠席は1回までしか認められない。
学生は入学前にMBTIと呼ばれる性格診断とキャリア志向のマッチングを目的としたテストを受け、結果を受け取って自分自身の業務指向性について説明を受ける。その後実践的なプログラムとして、レジュメ作成、インタビュー、カバーレター作成等に関する訓練を実践的な形で習得する流れになっている。全体向けセッションの場合と少人数に分かれてのグループセッションの場合とがあり、作業が必要な場合は割り当てられたグループの中でセッションを受けることになる。
PDP 1 - Leveraging the Office of Career Services (OCS)
PDP 2 - Discovering Yourself
PDP 3 - Understanding Hiring Practices
PDP 4 - Marketing Yourself – Theory
PDP 5 - Marketing Yourself - Resumes
PDP 6 - Marketing Yourself - Cover Letters
PDP 7 - Professional Communications
PDP 8 - Networking
PDP 9 - Interviewing
PDPは、パワーポイントで示される情報とスタッフの説明が明快なので、とても理解しやすく面白い。参加する前は金曜日の午前中の時間をこれに取られることが恨めしく思えたのだが、3週間参加してみてそれが楽しみに変わった。少人数向けのセッションも用意されているが、この全体向けのセッションで多くを吸収できると思う。アメリカでは一般的に使われているのかもしれないが、Elevator Pitchと呼ばれる50秒間の自己アピール訓練(エレベーターに乗ってから降りるまでの間に相手に伝えたい情報を簡潔かつ明確に伝える方法)や、レジュメの構成方法等、自分の知らなかった実践的で有用な情報が数多く盛り込まれている。
Fletcher Career Central / Inside Fletcher
就職関連情報についてはFletcher Career Central、Inside Fletcherという2つのイントラネットから検索できる。Fletcher Career Centralには企業が来訪して行うインフォメーションセッション、OCSが主催するセクター別、機関別の就職活動方法に関するセッション、少人数で行われるレジュメレビュー、インタビュー訓練セッションのスケジュールが確認でき、随時申し込むことができる。レジュメをイントラネット上に登録して志望先からのインタビュー招待を受けたり、2年生の情報を検索してインターン先の紹介を受けたりすることもできる。自分も現時点でかなり活用していて、既にセクター別就職活動説明セッション、各企業・機関のインターン志望者向けセッション等に申し込んでいる。
Inside Fletcherは授業の情報、就職活動情報等を包括的にカバーしているイントラネットで、就職情報についてはCareer Serviceというカテゴリの中で検索することができる。PDPで使用されたパワーポイントの資料をダウンロードしたり、2年生が実施したインタビューセッションのレビューをビデオで閲覧したり、過去の学生が参加したインターンの情報を過去5年程度さかのぼって検索したりすることができる。個別機関の就職関連情報も各20-30ページの紹介資料で確認できるので、インターン候補先企業の採用情報を予め調べることもできる。Fletcherは卒業生ネットワークが強いと言われていて、インターン先への応募に当たっても卒業生をたどることで見つかるケースが多いそう。こういったデータベースはFletcherのネットワークを活用する上でも重要な役割を果たしていると思う。
また、イントラネット上では名刺注文シートをダウンロードすることもできる。シートに必要事項を電子ベースで書きこんだ後、プリントアウトして印刷屋に持っていく、という肝心なところでアナログなフローになっているのだが、OCSに行かずとも就職活動を自分で組み立てることができる点で、イントラネットの威力はかなり強いと思う。この3週間の間にイントラネットをすっかり気に入ってしまったので、他の学生に比べてかなり活用している。きっとインターン先選定の際にも力になってくれると思う。
OCSの評価
全体として、自分はOCSの提供する就職活動関連のサービスを高く評価している。もちろんビジネススクールや他の国際関係大学院でもこうしたサービスを提供する部門やデータベースは充実しているだろうし、Fletcherのシステムが特別にすごいとは思わない。ただ、絶対的評価として自分はFletcherの就職支援体制が気に入ったし、PDPやセッション等で提供される情報やノウハウを必死になって習得しようという気にもなっている。所属先の就職支援体制を疑ったり低く評価したりすると、本来得られるはずのものまで得ないままになってしまいそうなので、ポジティブにOCSのサービスを受けられることは、自分の就職活動において良い要素になっていると思う。