UNDP職員との夕食

現在勤務しているUNDPIICPSDに一時的に籍を置いている2人の職員のうち、現地採用のトルコ人職員の方と夕方オフィスで時間を取って話すことができた。UNDPのオフィスはトルコに2つあり、元々アンカラ近くにあったオフィスが大元なので、自分の勤務先であるIICPSDには2人とも来ていないことが多い。ニューヨークから来ている方のディレクター級の職員は今週一杯出張で、次に会うのは来週といった具合だ。

そういった状況の中、先週迄進めた作業についてようやく時間を取ってトルコ人職員と話すことができた。夕方まで作業の進め方に関する協議を行った後、夕食に連れて行ってくれるというので午後7時頃にオフィス近くのトルコ料理屋へ行ってまた話をした。夕方の話ではまだ作業内容について不確定なところがあったので、レストランで注文した後もその話をした。先方は多忙でなかなかこちらに頼んだ作業を詳細に見る余裕がないので、小出し小出しでアドバイスをくれる。本当はインターン初日に全て知っておきたかったUNDP発行の参考文献等も、2週間と1日経った昨日追加でもらったりした。それでも話し始めるときちんと筋道を立てて作業に関するアドバイスをくれるので、とても有意義にな機会だった。

作業についての話をした後は、こちらの今後の進路について聞いてくれたので、現時点で考えていることを話した。トルコ人職員はJohns Hopkins SAISの出身で、その前は民間企業で貿易関連の仕事に携わっていた。SAISはFletcherと学生の進路選択がとても良く似ているので、アドバイスはとても参考になった。

曰く、

国際機関に行く場合、Short Term Consultancy(STC)で行くのはとても大変なのでやめておいた方が良い。それだったらいっそ投資銀行やコンサルティングファーム等の民間企業に行って、それから国際機関を考えれば良い。自分自身は政府の奨学金をもらって留学した手前、留学期間の倍の期間は政府関係の仕事に充てないといけないため、仕方なくUNDPで働いているという事情がある。トルコは物価が高いので、給与補正によってそれなりの金額がもらえているが、他国で同じポジションの職を得た場合の給料はとても低い。もし国際機関に入りたいのであれば、ネットワーキングをがんばると良い。日本人の職員コミュニティのネットワークが強固であるなら、それを活用すべきだ。トルコ人コミュティのネットワークは使い物にならない。

SAISの同級生に世界銀行のSTCで職歴を数回つないでIMFの職員になった者がいるが、そういうケースは相当まれで、大抵はかなり苦労する。ちなみにSTCの給料は1日300ドルが上限で、経験に応じてその多寡が決まる。十分な経験があれば240ドル程度はもらえるのではないか。期間については150日が上限だが、1週間しか雇用期間が与えられずにその後1ヵ月無職で待機という人もいた。STCはあまり現実的ではない。

国際機関のコンサルタントの職は5月末頃に募集されることが多い。どの機関、部署も大抵年度予算を6月に更新することになっており、それまでに余った予算を使い切っておく必要があるため、そのタイミングでコンサルタントを雇い、余剰予算の中から給料を支払う。コンサルタントの職を得るために活動する場合は、このスケジュールを念頭に置いておいた方が良い。

大学院留学に関する奨学金の制約がないのであれば、選び放題だからぜひ民間企業を狙うと良い。投資銀行は1日20時間働くようなところだし、若いうちしか体力が持たないだろうからなかなか勧められないが、金融のバックグラウンドがあるなら必ず活かせる。そこから国際機関に転籍したければすれば良い。コンサルティングファームという選択肢も良い。国際機関では文章作成能力が求められるし、コンサル出身のSTCは文章力を期待できる。実際、このオフィスでもMcKinsey出身のコンサルタントにケーススタディレポートを書かせている。コンサルティングファームは就職に当たってインターンを要求するので、それには参加しておく必要がある。

金融機関出身であるのならぜひCFAを取っておくべきだ。仕事をしていく上で自分のポジションのSecurityが増す。CFAを持ってMorgan Stanleyで働くといったキャリアなら、その後の就業機会を求めるに当たっても強い。CFAは3回試験を受けないといけないが、Level 1は12月にも試験があるし、それに受かったことをレジュメに書けば印象も違うし、残りの試験についてはその後のキャリアの中で受験を重ねて行けば良い。

とのこと。

Short Term Consultantの具体的な雇用スケジュールや給料の話までは知らなかったので、良い勉強になった。給料は割と高いと思ったが、1週間だけの契約だったり次の職の保証がなかったりする場合があるので、それぐらいはもらっておかないと失職したときに厳しいのかもしれない。何にせよ、バイトのような身分であることに変わりはないので、この職種で国際機関に入るには相当の覚悟が必要になる。

少し驚いたのは、忙しく2つのオフィス間を飛び回ってエネルギッシュに働いているこのトルコ人職員が、特にUNDPの仕事をやりたいと思って勤めている訳ではないということだった。政府からの義務がなければ民間企業で働きたいとまで思っているとは全く想像していなかった。収入や自分のバックグラウンドを活かせる仕事の選択を考えると、UNDPの仕事が必ずしも本人のベストチョイスにならないことが、話を聞いて理解できた。

CFAに対する印象は、やはりそうかというものだった。日本ではあまり知られていないが、CFAの価値は金融業界で広く認められていて、保持しているビジネスマンは必ず名刺やメールの署名の後に", CFA"と書いている。CFAはアメリカの資格だが、同国では司法試験や公認会計士(USCPA)の難度が低いため、それらやPh.Dと同等程度に扱われている印象がある。自分はUSCPAとCFAのどちらに焦点を当てて勉強していくか迷ったのだが、金銭面と取得までに要する時間を考慮してUSCPAを先に取ることにした。優先順位をUSCPAと迷ったくらいなので、もちろんCFAも視野に入れてはいて、USCPA取得後はCFAの勉強を始めようと思っている。ただ、こちらは3年かかるので、順調に行ったとしても、取得し終える頃にはかなり年を食っていることになる。
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