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Employer Information Session: World Bank

今日の昼、Office of Career Service (OCS)が主催する世界銀行のインフォメーションセッションがあったので、参加してきた。Fletcherの卒業生は民間、政府機関、国際機関、NGOの4分野に主に散っていくが、今回は国際機関を志望する学生が途上国中心に集まっていた。自分も幅広く業界に当たり、情報収集を行うためにこれに参加した。

説明を行ったのはFletcher出身の世銀のミッドキャリアクラスのアメリカ人。冗談を交えて楽しく話をしてくれた。世界銀行職員の出身国別割合が各国の出資金額見合いのクォータ制になっていることは有名だが、今回もその話が出た。特に日本、ドイツ等の出身者が出資比率に対して不足しているので、それらの国籍を持っているのであればぜひ積極的に出願してほしいと言っていた。

職種については、環境やネットワークインフラ等の流行りものに限らず、自分達がFletcherで勉強している事柄であれば何でも世界銀行のポジションに当てはまるとの説明をしていた。学生一人一人をランダムに当てて、専攻を聞いた上でそれぞれに当てはまる職種を答えていた。学生の回答が何であれ、自分の論旨に持っていく手法は、学生の関心を強く引き寄せていた。語気の強弱、冗談のタイミング、聴衆を巻き込むインタラクティブな進め方等、見習うべき点がたくさんあった。「日本人はプレゼンが下手」という日本のビジネス本等で使われるコピーは嫌いなのだが、やはり日本人の感覚では表現できない効果的なプレゼンの手法というのはあると思う。

世銀に限らず、就職活動全般において価値があると思われる情報提供も行ってくれた。先ず、インタビュアーが分かったら必ずその人のバックグラウンドを調べること。共通の話題等が持てれば印象にも残るし、能力で他の志願者と同一レベルと見なされた場合に優先して拾ってもらえる可能性もある。また、面接が終わったらEメールでも手紙でも良いので必ずお礼状を出せと言っていた。これは皆やっていそうなのだが、意外に実行している人は少ないとのこと。説明者は一度ももらったことがないと言っていた。確かに自分が採用担当者なら面接をどう感じたか等のフィードバックがあると嬉しいし、他の多くの志願者の中でも強く印象にも残る。これは最低限実行したい。

Fletcher卒業生とのネットワーキング等におけるEメールの書き方にも言及していた。世銀の職員は中堅レベルで100通以上、シニアレベルになると数百通のEメールを1日に受け取るので、内容はスクロールしなくても読めるぐらいの簡潔なものにすべきとのことだった。また、スペルミスを見つけた瞬間にそのメールは捨てるとも言っていた。多くの学生からのメールを読まなければならない中で、これは最低限のスクリーニングなのだろう。この点も気をつけなければならない。

また、世銀のウェブ上のジョブポスティングに対する返答の仕方についても言及があった。世銀は出願者数が多く、1件の募集に対して500通程度の応募が来るため、採用部門が審査する前に人事部門がプレスクリーニングをかけてショートリストを作るとのことだった。この過程では専門性のない担当者が履歴書とカバーレターを次々に裁くため、募集職種と経歴が強く関連していることを示せと言っていた。具体的な方法は、募集要項にあるキーワードをそのまま履歴書とカバーレターに含ませること。これによって、募集分野の知識がない人事部門の担当者が適格な応募者と判断してくれる可能性が高まるとのことだった。採用担当者側のみが知る、的を射た有用な手法だと思った。

最後に採用プロセスとインターンの話が出た。採用方法は下記の通り。

Formal
・YP (Young Professional): 32才以下で修士以上の資格取得者
・JPA (Junior Professional Associate): 28才以下の学士取得者で、大学院にフルタイムで在籍

Informal
・STCs (Short-term Consultants): 短期契約の現地コンサルタント。プロジェクト毎に人材を募る。サマーインターンと代替可能。
・ETCs (Extended-term Consultants): STCsよりも長期間のプロジェクトに携わるコンサルタント職。

YPの募集は夏、インターンの募集は1月31日が締切とのことだった。説明者は特にSTCsでインターンを獲得することを強く勧めていた。背景にはYPやJPAの倍率が非常に高いということがあるからだと思われる。実際にSTCsを経験してYPに採用された職員のケースも紹介していた。

こういったインフォメーションセッション等は今後もOCSが定期的に開催してくれる。できるだけ選り好みせず、様々な業界の情報を得たい。次回のインフォメーションセッションは国連開発計画(UNDP)。Fletcherの特色から、国際機関系のイベントが多い。
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