締切の感覚

修士論文の最終版提出期限が4月30日になっていることもあり、同級生に合うと論文の進捗の話をすることが多くなった。これは春休みに入る前の話なのだが、Kim Wilsonというマイクロファイナンスの教授を指導教官としている学生から、「あの人は12月16日を提出期限に設定していたから、前学期中に提出した。」という話を聞いた。冬休みを挟まず秋学期中に仕上げるのはかなりの労力を要するので、間に合わせたことに感心しつつ、春休みは何をするのかと聞いたのだが、「秋学期に提出しなかったプロジェクトファイナンスの期末試験をやる。」という答えが帰ってきた。

プロジェクトファイナンスの授業は秋学期の前半で終わる0.5単位の授業で、試験提出の締切は11月2日だった。それを春学期の前半が終わるまでやっていなかったのだそうだ。試験はシングルスペースで5枚程度+エクセルのスプレッドシート1枚という、どう考えても修士論文より手間の掛からない内容なのだが、そちらは後回しにしていて、成績がSuspendedになっているとのことだった。本人曰く、「締切を設定してくれないと頑張る気になれない。」とのこと。実際試験の提出期限はあったのだが、教授の寛大な措置により、実質的には「いつでもいい」ということになっていた。

それにしても、締切を決められれば60枚-100枚が指定されている修士論文をさっさと書くことができて、決められなければ6枚程度の試験を提出できないというのが驚きだ。論文を提出したのであれば冬休みは丸々試験に充てることができただろうし、春学期が始まってすぐの授業の課題が少ない期間に書くことだってできた。精神的に追い詰められないと、ここまで人間は悠長になってしまうのかと思った。もし自分が当人の立場だったら、成績がSuspendedになっていることに恐れおののいてしまうが、外国人学生は教授や大学院の措置にフレキシビリティがあることを知っているので、それを思い切り利用しようとする。試験や課題提出の締切は、これにより大抵の授業で予定よりも1週間程度延びる。

プロジェクトファイナンスの試験関連では、冬休みに図書館で会った学生が「これから試験をやる」と言っていてとても驚いたのだが、もっと上手の者がいた。この授業の成績が出るのはとても遅かったのだが、それは試験が全部提出されるのを教授が待っていたかららしい。そして、冬休みが明けても試験を提出していない学生についてはあきらめてSuspendにして、試験提出済の学生の成績を評価したようだ。4月も10日が過ぎ、その学生もプロジェクトファイナンスの試験を提出したのではないかと思う。今度会ったら聞いてみたい。心の中では、「夏休みにがんばるよ」と言ってもらいたいと思っているのだが、さすがに本人も卒業したいだろうし、それはないと思う。
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