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Boston Symphony Orchestra (BSO) ④

Boston Symphony Orchestra(BSO)の公演に行ってきた。2011-12のシーズンは先週末に始まったのだが、College Cardという25ドル払えば1シーズン見放題のチケットが使えない公演だったので、今回が自分にとってシーズン初の公演だった。木曜日だったことと来週にヨーヨー・マのチェロ協奏曲があることで、客入りはあまり良くなかったが、公演そのものはすごく楽しめた。自分が知らないだけかもしれないが、かなりマイナーな作曲家2人の曲がすごく良かったと思う。

ヨーヨー・マの演奏によるドヴォルザークのチェロ協奏曲とバルトークというとても興味深い公演なのだが、注目度が高くチケットもよく売れているので、信じられないほどお得なこのCollege Cardも使えない。公演前ギリギリになってメーリングリストでCollege Card用の空席が出たりすることはあるので、それを待つことにしたい。とはいえ1席70-90ドル程度でチケットが買えるので、プレミアムの付き過ぎたPartiotsの200ドルのチケットや、ショパンピアノコンクールで優勝したぽっと出のねえちゃんとNew York Philharmonicとのピアノ協奏曲のための93ドルのチケットに比べると、払う価値は相当あるとは思う。

Four Sea Interludes from the opera "Peter Grimes", Benjamin Britten
オペラの曲の一部を切り取ったものなので、背後のストーリーは分からないものの、曲に変化があって楽しかった。途中でハープが入ってきて軽快に音を慣らしたりするので飽きないし、全体のリズムがとても心地よく、聴いていて面白かった。どのようなシーンが背景にあるのかを調べてみたのだが、場面をつなぐ間奏曲とのことだった。Peter GrimesというオペラはBrittenの代表作らしいのだが、Britten自身を知らないぐらいなので、もちろん曲も知らなかった。どのような経緯でこの曲が今回の公演に選ばれたのかは分からないが、とても楽しい曲で好きになった。

Piano Concerto No.3, Serge Prokofiev
この曲は聴いた3曲の中で一番良いと感じたし、観客の反応もものすごかった。ピアノはJean-Efflam Bavouzetというフランス人の演奏だったが、このピアニストの演奏そのものとオーケストラとの合わせ方が素晴らしく、楽章の合間に観客が「ワーォ」というぐらいの出来だった。曲はリズミカルで心地の良いもので、聴いていて楽しいのだが、テンポがある程度早く、ピアノの音の数も多いので、ピアニストの力量が問われそうな内容だと思った。各楽章の終盤やクライマックスのところではかなりテンポが上がってオーケストラと息を合わせるのも難しくなりそうに見えたのだが、奇跡的にきちんと合わせていた。良い盛り上がりを見せて曲が終わった後はお客さんが総立ちになって拍手していた。これは誰が見てもすごい演奏だったと言うと思う。

Symphony No.2, Jean Sibelius
シベリウスの交響曲第2番。シベリウスの交響曲の中で一番有名なものらしいのだが、前半の2曲で満足してしまったのと疲れが出てきたのとで、あまり感動も覚えなかった。最後の方は「まだ第3楽章か」ぐらいにまで思ってしまった。著名なシベリウスの曲の中で一番人気がある交響曲なので、ぜひまた良い状態のときに集中して聴くことにしたい。そうでないと、これほどの無感動で終わるのはもったいない。
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