ケースレポート返却

中間試験までに3本中2本出そうと決めていたB220 Global Financial Servicesのケースレポートが試験結果と一緒に返ってきた。結果は1本がA、もう1本がA-で、色々な意味で安心した。というのはチーム編成や作業分担で色々と面倒なことをかいくぐらないといけなかったからだ。

B220はゼミ形式の授業で、20人程度が参加している。学生はこの中で3-4人のスタディグループを組み、そのチームで学期中に3本のケースについてレポートを書いて提出することが義務になっている。この授業は2年生が多く履修していたので、できれば1年生同士でチームを組みたいと思い、前学期のB200 Foundations of Corporate Finance and Financial Accountingで一緒だったCristinaという優秀なネイティブの学生を誘い、もう1人の1年生と一緒に3人チームを作った。ここまでは良かったのだが、Cristinaと別の1年生が、Waitlistedになっていたハーバードケネディスクールの授業が繰り上がりで受けられることになった、と言って抜けてしまった。仕方がないので、メーリングリスト上でチームへの参加を求めている1人身の2年生からの要請を受け入れ、更にその学生が紹介したPhDの学生を迎えて、何とか4人のチームを組んだ。

4人組が作れた訳だし、PhDの学生にも入ってもらえたので、チームの編成そのものについては問題なかった。問題があったのはチームメンバーのやる気の違いだ。特に大きかったのは、優秀な1年生のChristinaが「2人ペアを作って別々にケースレポートをやりたい」と言い出し、せっかく作った4人チームが機能しないままレポートを2本書くことになってしまったことだ。前学期はレポート作成でも授業でもとてもがんばっていた印象があったのに、今学期は他の授業に追われてグループワークに時間を割いていられないらしい。そうした経緯で分かれることになった2組の組み合わせは、DC Career Tripの影響から自分が2本目のレポートに参加したいということで、CristinaとPhDの学生、流浪の2年生と自分という形になった。

早い段階から分かり始めていたのだが、自分がペアを組むことになった2年生がくせ者で、「このレポートやろう」と全体に持ちかけては自分からやる気をなくしてフェードアウトする、ということを平然とやる人物だった。Cristinaが2組に分かれようという前に、4人で最初のケースについてレポートを書こうという話があったのだが、その話を持ち出したのはこの2年生だった。最初の話し合いで「このケースは教授がとても大変だと言っているからなしにしよう」という話になっていたのだが、あまりに熱意を持ってメールしてくるので、「それじゃあこういう役割分担はどうですか?大変だけどがんばりましょう」とこちら側が連絡すると、途端にメールのレスがなくなり、次の日に「やっぱりなしにしよう」と言ってきたのだ。だったら最初から合意を覆すようなことまでして方向転換を持ちかけないでほしいと思った。

そんな中、CristinaとPhDの学生のコンビは、やる気が落ち気味のCristinaが問題にならないほどPhDの学生がレポートを仕切り、すぐに1本目のレポートを完成させてしまった。それを見ていて危機感を覚えたので、次週の水曜日の授業に十分間に合うよう、2年生と土曜日にディスカッションを行って早めに作戦を立てることにした。相手は早めに作業することに積極的で、週末中にやってしまおうと言ったので、自分も好都合だと思って同意した。また、相手は人柄は良いものの、口先ばかりで作業しないという認識が確立していたので、重要な部分が自分に回るよう、「ノンネイティブだからエクセル作業とそれに関係する意思決定部分は自分がやりたい」と遠回しに主張してその担当を得た。

大変な方のパートを受け持った中、期限を守ろうとして日曜日の夕方に自分の担当部分を出したのだが、案の定2年生は日曜日に提出して来ず、更に月曜日の夜になっても提出して来なかった。これはいよいよ厳しいと思った火曜日の20時頃に進捗がどうなっているか聞いたのだが、「今やっているところだ。そっちはどうだ?」という返信メールを送ってきた。「今やっている」というのは、本当でも嘘でも最後に完成させてくれれば良いので気にしなかったが、「そっちはどうだ?」というのはあまりにも軽薄だと感じて憤慨した。どうだも何も、こちらは終わっていて相手のドラフトを待ち続けているのに、相手はそれをなかったことにしてお互い同じ進捗で取り組んでいるという認識にすり替えようとしているのだ。週末までに1次稿を終わらせる約束を持ちかけてきたのは相手の方なのに、こちらが1次稿を出していることを知りながら、相手の責任を求めることで自分が締切を守れていないことをごまかしているのだ。

腹が立ちながらも、相手の原稿を待ちながら自分のパートの手直しをして火曜日の作業を終えたところ、水曜日の朝になって相手からの原稿が出てきた。ネイティブとは思えないほどラフで、原稿の体裁もめちゃくちゃだったのだが、メールには「おれはやった」感が出ていて面倒だった。相手にはこちらの文章をネイティブとして校閲して最終提出するつもりはないと見えたので、自分が授業までに体裁を整えて提出すると言っておいた。こうした経緯で必要以上の苦労を強いられたが、何とか締切前にレポートを提出することができた。PhDの学生は、直前に送った「このドラフトに手直しをして出します」というメールに反応して助言をくれたので、少し孤独感と苛立ちが和らいだ。ネイティブが外国人のレポートを30分校閲するだけで相当見栄えが変わると思うのだが、相手の姿勢を見るとあきらめざるを得なかった。

こうした経緯で提出したレポートが今日、PhD学生とCristinaの作成したレポートと共に返却されたのだ。結果は自分達のレポートがA、もう一方のペアのレポートがA-だった。先ず、PhD学生がきっちりレポートを書いていたので、自分と2年生が悪い成績を取って2人の足を引っ張ったらどうしよう、という不安が解消された。次に、自分達の書いたレポートに対して書かれた教授のコメントを読み、自分のパートが高く評価された上で相手のパートにダメ出しをしている内容であったことを確認して、自分の貢献が大きかったことを理解して安心した。Christinaも自分と2年生が書いたレポートの評価を見て「Oh, good job.」と喜んでくれていて、チームに貢献できてよかったと感じた。

問題の2年生も案外素直だった。相手の記述箇所に与えられたマイナスポイントを、自分が担当箇所の高評価で補ってAをもらえたことを理解はしていたが、一応礼儀だと思って授業の最後に「おれたちはよくやったね。さっき回覧したレポートを見たいからもらってもいい?」と言ってみた。すると相手は、「言い訳するつもりはないよ。コメントは数回読んだからレポートの原本は持って行っていいよ。」と言ってレポートを自分にくれた。行動に示すことができないにも関わらず強がる癖のある面倒な人間だと思っていたのだが、第三者の評価は素直に受け止めるようだった。レポート提出までは相手に対する嫌悪感で一杯だったのだが、素直になった相手を見て若干その気持ちが和らいだ。

チームメンバーとの関係作りでは、自分が相手以上に動き、客観的に実績を見せることが必要だと感じた。いくら「おれはこんなにがんばっているのに、回りが働かない」と言っても、がんばっていると思っているのは自分だけで、実際は独りよがりということがあるかもしれない。今回のようなケースは極端だが、それでも自分の怠慢をごまかしてばかりのチームメイトが「言い訳しない」と言ったのだ。自分が相手の落ち度をフォローできるだけのパフォーマンスができることはなかなかないので、何事も今回のように上手くはいかないだろうが、小さい努力や実績の積み重ねによっても相手からの信頼や尊敬を得ることはできると思う。「うだうだ他人の文句ばかり言っていないで行動する」という心がけを持っておきたい。
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