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Boston Symphony Orchestra (BSO)

22日(土)にダウンタウンまで外出する予定があったので、当日夜に行われたBoston Symphony Orchestra(BSO)の土曜公演を聴きに行ってきた。ぎりぎりまで待って席に空きがあると9ドルでチケットが買えるのだが、さすがにそれはリスキーだと思い、昼頃に持参していたPCを使って一番安い席を予め購入しておいた。BSOは平日に加えて毎週土曜日にコンサートを行っているので、座席さえあれば当日の思いつきでも聴きに行くことができる。平日は勉強をほっぽらかしていくのが何となく不安なので、土曜日の公演を狙うのが良いかもしれない。

公演は20時からで、曲目はチャイコフスキーの「組曲第3番」、ストラヴィンスキーの「交響詩ナイチンゲールの歌」、スクリャービンの「法悦の詩」だった。指揮者は客演のLorin Maazelという人。チャイコフスキーは素人にも親しみやすいので楽しく聴けたし、ストラヴィンスキーの前半も面白みがあって良かったのだが、後半は疲れていたこともあってかあまり印象に残らなかった。全体にヴァイオリンソロの場面が多い曲が集められていたので、そういった構成の曲が好きな人には良いかもしれない。

チャイコフスキー「組曲第3番」
ニューヨークで聴いたくるみ割り人形と同様にとてもきれいで心地よい音楽が集められていると思った。聴いたことのある曲が本当に少なくて恥ずかしいのだが、チャイコフスキーらしさというのがどの曲にも必ず備えられていて、心地よさを感じる。チャイコフスキーやモーツァルトには、初めて聴く曲でも「この作曲家の曲だ」と分かるような独特の特長があるのだと思う。公演の前にネットで色々と曲の予習をしていると、「チャイコフスキーの曲は美しく流麗なメロディーが多く含まれ、初心者にとっても馴染みやすく人気がある」と書かれているものを見つけた。自分も初心者の割にチャイコフスキーは楽しめるので、これはその通りだと思う。

ストラヴィンスキー「交響詩ナイチンゲールの歌」
元々テーマになっている物語に合わせて作られる交響詩というジャンルだったので、休憩時間中に慌ててネットで予習した。ストーリーは、「中国の皇帝が美しく鳴くナイチンゲールという鳥を飼っていて、歌声を楽しんでいた。あるとき日本の天皇から機械仕掛けのナイチンゲールが中国の天皇に献上され、天皇はそれを本物のナイチンゲールと一緒に側においていたが、本物のナイチンゲールは機械仕掛けのナイチンゲールに嫌気がして逃げてしまう。皇帝は激怒すると同時に深く悲しみ、病で床に伏してしまう。やがて機械仕掛けのナイチンゲールの方も壊れて動かなくなってしまうが、最後にナイチンゲールが皇帝のところへ戻り、皇帝は元気を取り戻す。」というもの。ネット上のコメントでは最初は楽しいが後半が退屈と書いてあったのだが、その通りだった。最初はオーボエが表現する機械仕掛けのナイチンゲールの鳴き声や、中国風の音楽が楽しく、後半はストーリーに沿って音楽も沈んでいったので、聴いていて寂しくなった。最後にナイチンゲールが戻る場面もあまり劇的で晴れ晴れした感じではなかった。交響詩はストーリーを表現するという意味では面白いのだが、きれいな音色を持っているはずのオーボエがわざわざ機械仕掛けの鳥の音を表現したりするので、少しもったいない気がする。ジャジャーンと盛大にオーケストラを使う正統派の方が幅も深みもあって良いと思う。

スクリャービン「法悦の詩」
ストラヴィンスキーの後半で疲れてしまい、その後に演奏されたこの曲をあまり集中して聴くことができなかった。周りの人達もストラヴィンスキーの後半以降飽きてしまっている様子で、前の席に座っていた女の人は彼氏といちゃつこうとしたりしていた。きちんと聴いたら良い音楽かもしれないので、また別の機会を見つけることにしたい。
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