書評⑤ 『Principles of Economics』

Principles of Economics

N. Gregory Mankiw / South-Western Pub

 ノーベル賞経済学者Gregory Mankiwによる経済学の入門書。需要供給曲線、労働、モノポリー、為替レート、国家収支等について、マクロ・ミクロ経済を学ぶ前の学生が理解できるよう書かれている。マクロ・ミクロ経済の詳細には触れていないため、経済学入門と題されるような初歩的講義で利用される教科書と考えるのが正しいと思う。

 本書は800ページを超える内容だが、説明の多くは新聞記事の抜粋や、スポーツ選手、俳優等学生に馴染みの深い事例を交えたカジュアルな内容に割かれていて、分量並みの知識量が盛り込まれている訳ではない。全くの初歩から経済学を学ぶ学部の1年生等には適した教科書だとは思うが、経済学の勉強を更に深めるための土台としては、内容として物足りなさを感じる。冗長な具体例も、かえって端的に全体像を掴みたいと考える読者の意向を阻害するものであるように思える。

 価格面でも定価約230ドルと、内容に比して高めである。同等かそれ以上の知識を得るのであれば、証券アナリスト一次試験の「経済」の対策本等の方が、よほど安価で有用な内容が盛り込まれている。大学院入学時に受験した経済学入門科目の履修免除適性試験の対策として利用したが、時間を割いたなりの学習効果は薄かった。英語の教材を利用するにしても、ソフトカバーでより分量の少ない入門書の方が、絶対的な質という意味でも、コストパフォーマンスという意味でも優れていると思う。

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by ubuntuk | 2010-09-13 14:38 | 書評
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